当事務所は、うつ病や知的障害、発達障害などの(「国民年金・厚生年金 障害認定基準」でいう)「精神の障害」に関するご相談が高い割合を占めています。

この「精神の障害」は前述の障害認定基準において「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」、「気分(感情)障害」、「症状性を含む器質性精神障害」、「てんかん」、「知的障害」、「発達障害」に区分されています。

よくある事例では、当初は何か風邪のような症状があり近所の内科にかかった、とか、ストレスや不眠があって相談したいとメンタルクリニックにかかった。なかなかすぐに改善しないので、頭痛で神経内科や脳神経外科、腹痛や吐き気で胃腸科や消化器科に転院した。その後、心療内科にもかかり、元のメンタルクリニックに再び通院するようになった。
というふうに医療機関を転々とした事例です。県をまたいでいる方もおられます。

それぞれの病院を「いつからいつまで」通院したか、それぞれに因果関係があったのか否か、などを探っていき、初診日を確定させる必要があります。

最初に障害年金相談で、年金機構や市区町村等の行政機関に相談に行った場合も、上記の説明を求められ、まず初診証明(受診状況等証明書)をもらってきてください、とか病歴・就労状況等申立書を記載してきてください、と言われます。

これは「とりあえず、どこかの病院で初診日を証明してもらう。」という認識ではいけませんし、知的障害があるなら一度立ち止まって確認する必要があります。

なぜなら、病院をあちこち転々としていても、因果関係がある症状で先に受診した病院と、現在受診している病院が同じであれば(総合病院であるなら「科」も同じであること。)、初診証明(受診状況等証明書)は不要な場合があるからです。つまり、証明書取得費用を払わなくて済む場合がある、という事です。
加えて障害年金請求準備にはたくさんの時間もかかります。
時間や労力、気力も無駄にしないために確認を怠らず、効率的に動く必要があります。

知的障害単独での請求の場合、初診証明(受診状況等証明書)は不要ですが、別疾病と併発の場合は療育手帳(愛の手帳ともいう。)が取得できる程度か否かという視点でも考える必要があります。

最初に年金機構等に相談に行った際に、細かく説明をして、自分の場合は初診証明が必要なのか(あるいは不明であれば「証明をもらう前に」病院に)確認する必要があります。

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