令和5年度下期に頂いたアンケートを掲載いたします。

アンケート 令和5年下期20240404

今回は、過去に2度、ご家族が請求して不支給だった方でした。
2度目の請求から、かなりの年数が経過し、ご家族もご高齢となり、将来不安を抱いていたところ、相談支援機関を通じて、弊所での再請求を勧められました。
知的障害と発達障害がありましたが、前回請求書類を拝見すると、傷病名は「軽度知的障害」のみでした。

 

障害者手帳の診断書では、「主傷病」という欄がありますが、障害年金の診断書はそうではありません。
時折、「主傷病しか書かない。」という相談員や医師がおられますが、根拠法令も異なっているんです。

記載要領 国民年金・厚生年金の障害年金の診断書を作成する医師の皆様へ

複数の精神疾患が併存している場合は次のとおり、記載することとなります。(要領2P参照)
◆同時期に発症している場合
診断書①欄は、障害年金を請求する全ての傷病名及び該当するICD-10コードを記載します。

◆逐次発症している場合
診断書①欄は、障害年金を請求するすべての傷病名を、主たる傷病名から順に傷病名の冒頭に丸付き番号を①、②…と付して記載します。

実際、厚生労働省の再審査請求に提出された診断書の記載例です。
診断書①欄 複数記載例(厚労省 採決集より)

 

もちろん、「医学的に、診断名がつかない程度」ということもあるでしょうから、診断名について素人判断はできません。

お話を伺うと、軽度知的障害は療育手帳Bを取得しているものの、等級には該当することが難しい程度だと感じました。発達障害はご家族に伺った経緯や、ご本人様の話の仕方、内容、持ち物のこだわり等、生活への支障も大きいと感じました。

問題は初診日でした。以前の請求時にご家族が主張していた経緯から、過去の医療機関を様々当たり、点を繋ぎ合わせながら、法令解釈を基に第三者証明「の証明」を取得するなど工夫を重ね、丁寧に病歴・就労状況等申立書を作成しました。
審査中の確認もなくスムーズに年金支給となりました。

 

雨が多くて、今年の桜は、少し寂しい気持ちになります。

「夜の桜」の写真