話は障害基礎年金の審査において都道府県の認定にバラつきがあり
「〇〇県では2級だが△△県だとその程度は3級と認定される」
という公平を欠く状況が多く見られたことに遡ります。
そこから厚労省において「精神・知的障害に係る障害年金の認定の地域差に関する専門家検討会」が開催され、「第1回 精神・知的障害に係る障害年金の認定の地域差に関する専門家検討会」においては検討会の構成員でもあった日本福祉大学 青木聖久先生が、意見書として非常に重要なことを述べておられました。
この度発表された「ガイドライン」には目的が明記されています。(以下抜粋)
このガイドラインは、精神障害及び知的障害に係る認定において、障害等級の判定時に用いる目安や考慮すべき事項の例等を示すものであり、これにより、精神障 害及び知的障害に係る認定が「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」(平成14 年3月15日庁保発第12号。以下「障害認定基準」という。)に基づき適正に行われるよう改善を図ることを目的とする。
また、等級の判定においても、
障害認定基準に基づく障害の程度の認定については、このガイドラインで定める 後記1の「障害等級の目安」を参考としつつ、後記2の「総合評価の際に考慮すべき要素の例」で例示する様々な要素を考慮したうえで、障害認定診査医員(以下「認定医」という。)が専門的な判断に基づき、総合的に判定する(以下「総合評価」という。)。 総合評価では、目安とされた等級の妥当性を確認するとともに、目安だけでは捉えきれない障害ごとの特性に応じた考慮すべき要素を診断書等の記載内容から詳しく診査したうえで、最終的な等級判定を行うこととする。
と書かれています。
「診査が厳しくなった」との声も耳にしますが、地域格差の是正には、ある程度の一定目安が必要で、それを改善する方向で示すものであるが、考慮すべき要素等が医師により確認でき、診断書に記載されていれば、そこはきちんと考慮しますよ、ということです。
日常生活状況を細かく確認する必要が生じた際には、「照会文書」が届きます。
より、「向き合い方」と診査の「視点」が見えた気がしています。
噂に流されず、無駄に怖がらず、きちんとひとつづつ、丁寧に向き合いましょう。