とても難しかったけれど、丁寧に地道に準備し、受給できた案件をご紹介します。

下記はご了解を頂いて掲載しております。

 

【請求傷病名:躁うつ病、初老期認知症】

弊所へのご依頼時は、59歳の方。初回面談で発語なく疎通は困難。
士業の成年後見人様がついておられました。

当初の情報は、下記3つのみでした。
・家裁提出用の診断書1枚目のみ。
(認知症、躁うつ病のH30年10月時点での状態が記載されたもの。)
・S61年の25歳頃に取得した「身体」障害者手帳。
・身寄り無し。

初診日及び現状に至った経緯は不明でしたが、現症から察するに請求傷病名は「精神」の見込みでした。

しかし、「身体」障害者手帳を保持しておられた事からポストポリオ等や先天性疾患、第三者行為の可能性も考慮し、まずは出生からの経緯を丁寧に把握することから始めました。

診断名や症状に変化があった場合、新たな疾病発生の可能性もありますので(それによって初診日が国年から厚年に変更する場合もある。)、経緯や状況、状態を正しく理解することは、とても重要と考えています。

まず、現在通院中の医療機関からのカルテ開示に加え、公的文書にて転居経緯の確認を行いました。
手帳取得当時の管轄行政を確認し、某情報の開示請求したところかなり古いものであることや権限移譲の経緯もあり、行政文書は一部廃棄されていたものの、行政の方のご理解とご対応のおかげで、一定程度は無事開示されました。

それを元に当時の支援職員や同級生等をご紹介頂くことができ、数名と数日に分けてお話を伺いました。皆さん、想像以上にしっかり覚えて下さっており、非常に具体的なお話を伺えました。
そこから分かった経緯を元に更なる記録開示、追加カルテ開示、初診日確認及び2つの診断の因果関係確認を行いました。

特に因果関係が不明な、躁うつ病と認知症についても予め医療機関に確認し、文書でご回答を頂けました。
準備に時間はかかりましたが、丁寧に客観的な根拠をもって整えて行くことで、初診日は、手帳取得よりずっと後のH4と判明し、結果的に診断書も病歴・就労状況等申立書もしっかり整い、審査で確認もなくスムーズに決定しました。

きちんと紐解いていくと、鍵は見つかるんですね。

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